HANSこと

Hansとは(Head and Neck Support)の略で「頭と首をサポートする道具」ですね。
読み方は、正式には「ハンズ」と読みますが「ハンス」と濁点をつけない場合も多いです。

Hansは四輪モータースポーツでヘルメットとセットで使う安全装備になります。
F1やGT、WRCなどのドライバーが肩に乗せているクワガタみたいな道具がHansです。
こんな形をしています。

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テザーと言われる、紐みたいな部分をヘルメットと連結して使います。

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クワガタ部分の角の部分をシートベルトで押さえつけることで、Hansを体に固定し、テザーをヘルメットに連結することでクラッシュ時に首が前方に伸びないようにするのがHansの役目になります。

首が伸びないように、なぜそんな事が必要かというと、人間の頭の重さというのは体重の8~13%ぐらいあると言われています。
例えば50キロの人でも頭の重さは約5キロ、これって平均的なボーリングの重さ(11って書いてあるやつ)と同じぐらいなんですね。

この重さのものをクラッシュの衝撃に対し首の力だけで支えることが出来る人は、ほとんどいない訳です。
さらにヘルメットをかぶっており、その分の重さもかかります。

人間の首の骨は7個あり、各骨は軟骨で繋がっているわけですが結構びよーんって伸びます。
シートベルトでガチガチにシートに固定して、通常時にどんなに首を伸ばしてもハンドルまで30cm以上隙間があったとしてもクラッシュ時にハンドルに顔をぶつけるぐらい伸びるのです。
自分の頭でフロントガラスを割るというケースもあるぐらいです。

実際これで大怪我をしたり、亡くなられたり、首の骨が無理やり伸ばされることで頚椎の神経を損傷して体の機能に障害を負うというケースがあります。
そこで、クラッシュ時の首の保護のために、1980年頃にアメリカで普及して今に至っています。

一般の普通車ですと、エアバッグがこの現象を抑えるための安全装置になります。
モータースポーツだと、ちょっとした接触などでエアバッグが開いてしまう可能性があり使用できないため、Hansが普及しています。

比較的新しいデバイスなので、色々と改良されています。
たとえば最初の頃は、テザーが固定式で横を向くのに制限があったり、F1などはよいのですが、ラリーなど横を向く必要がある競技だと不便でした。
そこで、テザーがスライドする方式が採用されたりしています。

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首の動きに合わせて左右にスライドするので、動きを妨げません。
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ただ、気をつけなくてはいけないのは、Hansはあくまで前方向に首が伸びるをを保護する道具であり、横方向には効果がなく、万能で首を守ってくれるわけではないということです。

ラリーですと横っ腹から木にぶつかるなどのケースもあるので、ラリー車は顔の横までシートを伸ばして、首を保護するなど特殊なシートを採用していたりします。

それでも一番衝撃が大きい前方向の衝撃をやわらげてくれるHansは是非装着したい安全装備の一つです。

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