冬場のエンジンオイル

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エンジンオイルに過酷な状況というと夏場の暑い時期に、がんがんにエンジンを回して酷使するイメージがあります。

イメージどおりで間違いではなく、温度が上がるとオイルは軟らかくなり保護性能が落ち、添加剤もどんどん消耗されるので厳しい環境なのですが、実は冬もオイルに厳しい環境です。

オイル温度が上がりにくい冬場ならオイルにやさしいと思うのですが、冬のオイルの大敵は水分です。
昔から水と油というぐらい仲の悪い代表格みたいな感じですが、それぐらい仲が悪ければいいのですが実は水と油は混じります。
これが「乳化」と呼ばれる現象です。

身近で「乳化」しているものとしてはマヨネーズがあります。
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料理では、乳化は油っぽさや水っぽさをなくして滑らかな舌触りや他の食品への絡みやすさなどで美味しくする技術で使われていますが、エンジンオイルについてはいいことがありません。

エンジンオイルは「乳化」して水分と混ざってしまうと本来の性能を発揮できなくなってしまい、これが性能低下を引き起こします。

マヨネーズを例にあげると、さらさらの油と卵を混ぜるとデロンとしたマヨネーズになるわけですが最初の状態からは別物ですよね。
油単体、卵単体ではどんなに混ぜてもそんなにデロデロにはならないのに不思議ですね。

またエステル系の化学オイルなどだと「加水分解」といって水と反応することで分子構造が変わってしまい、これまた本来の性能を発揮できなくなってしまうということもおきます。

身近な「加水分解」の現象としてはゴムパーツが経年ともにベトベトになるという経験をしたことはありせんか? それが加水分解の一例です。

もちろん、オイルメーカーさんもそれらに対処すべく、乳化することも織り込んで設計していたり、加水分解をしないように改良したりで、今の市販オイルでそれが致命的な何かを起こすことはないとは思いますが、水分がオイルの性能を落とすという事は、覚えておいて損はないかと思います。

さて、冬にこの水分が厄介というのはなぜかというと「結露」です。
エンジン内部の空気が「結露」により水滴となりオイルと混じってしまうんですね。

空気というのは温度が高いと水分を沢山取り込めるのですが、温度が下がると取り込める量が少なくなり、それが水滴となり「結露」となります。

結露する温度、「露点温度」は気温や湿度により変わるのですが、暖かい空気が冷たい物体に触れると温度が急激に下がり結露すると思っていただければ分りやすいかと。

さてエンジンをかけると当然、熱が発生し空気が暖められるのですが、エンジンの表面金属は冷えているため、結露して水滴が発生してしまうわけです(冬場の窓と一緒ですね)

エンジンをかけて十分な時間が経ちエンジン本体が温まると内部の空気とエンジン表面の温度差がなくなるので、結露はなくなります。

また時間が経てばエンジンオイルの温度が上がり内部の水分が蒸発するので乳化の原因が減ります。

ただ十分にエンジンもオイルも十分に温められていないと結露はするはオイル内の水分はなくならないはの結露天国になり、オイル内に多くの水分が沢山混ざることとなります。
その水分を含んだオイルをピストンロッド達が一生懸命混ぜてくれるので水と油がよく混ざって乳化するわけです。

つまり冬の季節で一番オイルに厳しい状況が、「ちょっとそこまで」の運転になるわけです。
これがよく言う、冬場のちょいのりは車に悪いよという一因です。

長々書きましたが、夏場の暑い日だけでなくて、実は冬もオイルに厳しい季節というのを頭の片隅に入れておくと良いというお話でした。

冬はオフシーズンでスポーツ走行していないよっ、という方も、春になったらオイル交換すると気持ちよくモータースポーツを楽しめると思います。

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